東大数学の復習法:解法暗記ではなく「方針を選ぶ理由」を残す
解説を読んだ直後は分かったように感じます。重要なのは、翌日、問題だけを見て最初の一手を説明できるかです。東大数学の復習では、誤答を5段階に分けます。
1. 条件整理で止まった
文字の範囲、図形の位置関係、変数の制約、場合分けの境界などを落としていないか確認します。問題文を式・図・言葉の3つに翻訳します。
2. 方針を選べなかった
解答を覚えるのではなく、「この条件があるから、この道具を候補にした」と説明します。翌日は解答を隠し、方針だけを書きます。
3. 方針は合っていたが計算で崩れた
単純な計算ミスと、式変形の見通し不足を分けます。同じ計算を繰り返すより、途中式をどこまで残すか、検算点をどこに置くかを決めます。
4. 論証が不足した
必要条件だけ示して十分性を確認していない、場合分けを閉じていない、範囲を言葉で結論していないなど、答案としての不足を確認します。
5. 時間配分で解き切れなかった
難問に固執したのか、途中の計算が長くなったのか、見切りの基準がなかったのかを分けます。時間不足をすべて「計算速度」の問題にしないことが重要です。
白紙再現の手順
以下は復習間隔の一例です。忘れ方、残り日数、他科目の予定に合わせて短縮・延長し、全員に同じ日程を当てはめないでください。
- 当日:解説を読み、間違えた判断を1行で書く。
- 翌日:問題だけ見て、条件整理と方針を再現する。
- 3〜7日後:数字や条件の違う類題で、同じ判断が使えるか確認する。
- 2〜3週間後:過去問・模試の別問題で再確認する。
数学だけで計画を閉じない
数学の復習に時間がかかりすぎる場合、その時間をどの科目から取るかまで決める必要があります。東大受験の90日計画では、科目間の上限を先に決めます。
自作例題:上限を出すだけでは「範囲の証明」は終わらない
以下は必要条件・十分条件の考え方を練習する自作問題です。東京大学の入試問題や、大学公表の採点基準ではありません。
問題
正の実数 x、y が x+y=2 を満たすとき、積 xy の取り得る値の範囲を求めてください。
途中までの答案の、どこが足りないか
「(x−y)²≧0 より xy≦1。したがって0≦xy≦1」と書いたとします。この答案には二つの確認不足があります。一つは x、y がともに正なので、xy=0 は起こらないことです。もう一つは、条件から導いた不等式だけでは、その範囲内のすべての値が実際に取れるとは示せていないことです。
必要条件:条件を満たす組から、積の制約を導く
x、y が正なので xy>0 です。また、(x−y)²≧0 と x+y=2 より、4−4xy≧0、すなわち xy≦1 です。したがって、積の取り得る値は 0<xy≦1 の中にあります。ここではまだ「この中にある」とだけ分かっています。
十分条件:候補の値を先に置き、実現する組を作る
任意の t を 0<t≦1 として、x=1+√(1−t)、y=1−√(1−t) と置きます。0≦√(1−t)<1 なので x、y はともに正です。さらに x+y=2、xy=1−(1−t)=t となります。よって、0<t≦1 のどの値も積として実現します。
結論:xy の取り得る値の範囲は 0<xy≦1 です。1 は x=y=1 で実現します。0 には近づけますが、x または y が0になる組は条件を満たさないため、0は含みません。
条件を一つだけ変えて確かめる
「正の実数」を「0以上の実数」に変えたらどうなるでしょうか。今度は (x,y)=(0,2)、(2,0) が許されるため、範囲は 0≦xy≦1 になります。計算の流れが同じでも、問題文の一語が端点を変えます。
この例から過去問へ戻るとき
図形の通過範囲なら「その点を通る配置を作れるか」、実数解の存在なら「求めた条件の下で実際に解があるか」を確かめます。どの問題でも必ず同じ置き方をするのではなく、「条件から候補を絞る方向」と「候補を実現する方向」の両方が必要かを考えます。
復習を、次に実行する一つの課題へ
問題の名前だけでなく、止まった判断・次の練習・終了条件を残します。氏名や学校名は入力しないでください。入力内容はサーバーへ送信しません。「この端末に保存」を押した場合だけ、このブラウザーに保存します。共有端末では保存せず、必要な内容を手元へ書き写してください。