東大英語の要約を、指定字数の日本語でまとめる手順
東大英語の第1問(A)の要約は、日本語で答案を書く問題です。英語で短くまとめる課題とは区別してください。2026年度は70~80字の日本語要約で、書き出しの指定もありました。受験する年度の字数・書き出し・解答欄の指示を最優先にします。
いきなり和訳を短くせず、文章全体の関係を整理する
一文ずつの和訳を順番につなぐと、具体例を残しすぎたり、結論が落ちたりします。最初に「何について、何を主張し、それを何が支えているか」を日本語のメモで整理します。結論・理由・対比は、別々の単語ではなく関係として残すことが重要です。
- 設問条件を確認する。字数、指定された書き出し、要約する範囲を先に確認します。
- 各段落の働きを書く。問題提起、一般的な見方、反論、具体例、結論などに仮分類します。
- 本文の主張を一文にする。原因と結果、対比の前半と後半を対応させます。
- 具体例を整理する。結論を説明するだけの例示は省略候補ですが、論点そのものになっている例を機械的に削ってはいけません。
- 日本語で答案を書く。主語と述語の対応、指示語の内容、論理関係が本文に合うか確認します。
- 最後に字数を数える。長ければ重複表現から削り、短ければ不足する主要情報を戻します。内容のない語句で字数を埋めません。
自作例題:英文を70~80字の日本語にまとめる
次は要約の操作を確認するための短い基礎練習です。実際の入試問題ではなく、本文の長さ・抽象度も本試験と同じではありません。
Digital notifications are often described as small interruptions. Yet their cost is not limited to the seconds spent checking a screen. After attention has shifted, people may need additional time to reconstruct what they were thinking about. The problem, therefore, is not simply that devices take time away from work, but that frequent switching can make sustained thought harder to maintain.
練習問題:本文の要旨を70~80字の日本語でまとめてください。この練習では句読点も1字と数え、改行・空白は答案に入れません。書き出しの指定はありません。
全文和訳・考え方・答案例を確認する
全文和訳
デジタル機器の通知は、ささいな中断と説明されることがよくある。しかし、その負担は画面を確認する数秒だけに限られない。注意が別の対象へ移った後には、それまで考えていたことを組み立て直すため、さらに時間が必要になる場合がある。したがって問題は、機器が仕事の時間を奪うことだけではなく、頻繁な注意の切り替えによって、持続的な思考を保ちにくくなることにある。
残す三つの情報
まず「通知の負担は確認時間だけではない」という対比を残します。次に「注意がそれた後、思考の再構築に時間がかかりうる」という理由を残します。最後に、その結果として「持続的な思考が難しくなる」という結論につなぎます。
日本語答案例:75字
通知の問題は確認時間だけではなく、注意がそれると元の思考を再構築するのに時間がかかりうるため、頻繁な切り替えによって持続的な思考が難しくなる点にある。
句読点を含めて75字です。別の表現でも、主要情報とその関係が保たれ、指定字数を満たしていれば答案の候補になります。これは本試験の公式解答・公式採点基準ではありません。
ありがちな誤答と直し方
確認に時間がかかる、だけで終える
「通知を見る時間が無駄になるので仕事が遅れる」では、本文が強調する思考の再構築という負担が抜けます。「画面を見る時間」と「元の思考へ戻る時間」を区別して書き直します。
本文にない禁止論を加える
「だから学校ではスマートフォンを禁止すべきだ」は、この英文には書かれていません。要約は自分の賛否を述べる英作文ではないので、本文の説明から外れる提案は削ります。
主張と具体例の順序だけを追う
本文の語順をなぞるより、「確認時間以外にも負担がある。なぜなら何が起きるからか」という関係を短い日本語で作ります。答案を読んだ人が本文の論理を復元できるかを確認してください。
英語で答えてしまう
日本語要約を求められた問題で、英文の要約を書いてはいけません。指定が日本語の字数なのか、英作文の語数なのかを、答案を書く前に確認します。
解き直しでは、抜けた情報・取り違えた関係・本文にない追加の三つに分けて修正理由を残します。練習全体の進め方は東大英語の復習法、試験中の配分は東大英語の時間配分で確認できます。
形式の確認資料と訂正履歴
2026年度の解答形式は、Z会による2026年度東大英語の分析の第1問(A)を参照しています。大学の2026年度試験問題の公開案内では、英語は著作権上の理由から掲載されていません。上の練習英文と答案は黒田塾のオリジナルであり、Z会や東京大学の問題を転載したものではありません。
訂正:2026年9月26日。初版の英語答案例と、英語で要約を書くように読める説明を、日本語要約の形式に修正しました。